隣の席のひまわりさん
人間は、自分と他の人を比べてどちらの方が上か下か、どのようなグループに属している人間かを無意識のうちに判断している生き物である。

例えば、陰キャと陽キャ。例えば、スクールカーストやグループのリーダー。人は知らず知らずのうちに一つのグループの中に入り込み、上下関係が密かに作られた世界で生きている。

陽キャと呼ばれ、スクールカーストの上位にいる人間に好かれていれば自然とスクールカースト上位のグループに属すことができ、学校生活の人間関係において苦労はないだろう。

だが、もしも陰キャと呼ばれ、最下層グループだと見なされた場合は悲惨である。男女問わずいじめのターゲットにされ、人間関係に苦労をする学校生活となってしまう。

いじめをテーマにした小説や漫画では、そのほとんどが陽キャグループのリーダーが陰キャ代表をいじめているものが多い。

図書館にて、いじめをテーマにした小説を読んでいた少女は息を吐く。毛量が多くどこか重い前髪に、バッサリ肩より上に切り揃えられた黒髪、そばかすのある丸顔にボテッとした一重の目、お世辞にも「可愛い」とは言えない顔をした少女は呟く。
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