Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

あいつが彼女に触れるたび

彼女があいつに笑顔を見せるたび


⎯⎯⎯俺の中に黒く気持ち悪いものが渦巻く。



そうして(きたな)い欲に心が塗りつぶされそうになると…

決まって瑠花が 「理斗、ありがとう」

と言いながら微笑んで僕を引き上げてくれる。



  はぁ……カワイイ。

  好きだ。 独り占めしたい。

  触りたい。 抱きしめたい。 キスしたい。

  いっその事、彼女を僕の隣に縛り付けるか

  どこかに隠しておけたらいいのに…



⎯⎯⎯そんな際限なく心に浮かぶ欲に苦笑する。



"綺麗な顔をして心に獣を飼っている"


とはよく言った、 (まさ)しく理斗のことだ。



後に瑠花が、佐久良とデートをしたと(いつもの盗み聞きで)知った理斗が、

嫉妬に燃えるのはまた別の話 ⎯⎯⎯⎯。




閑話~完~




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