【電子書籍化予定】麗しの香道家は、傷心令嬢を甘く溺愛して離さない。
両親や義両親に報告した時、とても喜んでくれた。それでお祝いを送ると連絡があり、初めはつわりが大変だろうとゼリーとか消耗品だったのに安定期に入ってきた時には物が届けられるようになった。
『宗一郎さん、これ以上増えたら子供部屋が埋まってしまいます』
『そうだな、確かに』
だから対策として、私たちで必要なものをリスト化し分担してもらうことになって……今に至る。
「そういえば、買い物に行こうって話をしていただろ? 今週の土曜日に行かないか?」
「お仕事は大丈夫なんですか?」
「うん。予定日までは、教室だけが俺の仕事だ。メディアは控える。立ち合いたいからね」
「そんな、大丈夫ですか?」
「大丈夫。俺の上司は父だからね、それに父もとても楽しみにしているからね」
「ありがとうございます。少し不安だったんです、そばにいてくれるだけで嬉しい」
初めての出産で不安しかなかったから、本当に嬉しかった。