【電子書籍化予定】麗しの香道家は、傷心令嬢を甘く溺愛して離さない。
私たちが入場して席に着くと、すぐに新郎の唯斗さんが入場してくる。以前の和服ではないタキシードはとても素敵だった。
そうしてベールをしたドレス姿の郁美が入ってくる。二人が並ぶと美男美女で、お似合いでドラマのワンシーンのようだ。
それから、讃美歌斉唱や指輪の交換、結婚証明書の署名を終えて……誓いのキスになる。
「郁美は、結婚、するんだなぁ……いいな」
そんな気持ちが込み上げる。
私も、あんなことがなかったら同じように式を挙げてたんだもの。だけど、親友の結婚式に来れてよかった。本当に……