深町山の秘密
「横浜から来ました!白石真(しらいしまこと)です!」

少し緊張しているような表情で、転校生はわずか十人しかいない深町小学校・四年四組の教室をグルリと見回している。少しすると、真はこのクラスには十人しかいないことに気付き、驚いたような表情をしていた。そんな真を見て三人の男子生徒が笑っている。

Q、もしも、あなたのクラスに転校生が来たら?

この質問を投げかけられれば、村林渉(むらばやしわたる)、山田恭介(やまだきょうすけ)小倉未来(おぐらみらい)の三人はこう答える。

A、自分たちのグループに入れる。

渉たちが暮らしているのは、某県にあるとある村だ。周りは木々が生い茂る山に囲まれ、バスは一時間に一本あるかないか、コンビニは村に一軒しかなく、電車はなく、イオンモールやカフェは山を降りて町へ行かないとない。病院は個人病院が一件だけしかなく、美容室も服屋もこの村にはない。小学校はあるが中学・高校はないため、山を降りて通わなくてはならない。

そんなど田舎と言っていいほどの村で暮らしている渉たちにとって、横浜という大都会で暮らしていた真は、まるで異国から来た人のように見えた。
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