【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
溺愛される日々
✱ ✱ ✱



「えっ!ほんとに結婚するの?! カオルくんと?」

「うん、まあ……」

 むしろ私にカオルを紹介したのは、今目の前にいる彼女【エリナ】なんだけど。

「でもなんで? 婚約破棄、するんじゃなかったの?」

 確かにエリナには悪いけど、私はカオルと婚約破棄するつもりだと話していた。
 なのに婚約破棄をしないと言う友人に、それは驚くも無理はない。

「最初は、そのつもりだったんだ」

「じゃあなんで?」

「……カオルが、俺を逃げ道にすればいいって言ったの」

 エリナは不思議そうな顔をして私を見ている。

「好きな人がいても構わないって、彼そう言ったの」

「カオルくんが? そう言ったの?」

 私は「うん」と頷いて、レモンティーに口をつける。 そんな私に、エリナは「カオルくんさ、優しすぎない?」と私に聞いてくる。

「ね、私もそう思う」

 レモンティーにガムシロップを足す私に、エリナは「だって、好きな人がいても構わないなんて、普通の男ならそんなこと言わないよ?」と言ってくる。

「まあ……普通なら、そうだよね」

 彼は普通じゃないのかな、やっぱり。

「カオルくんはいい男すぎるね」

「そうだね。……いい人だよね」
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