僕の欲しい君の薬指

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相手が自らの腰をグッと私の股の間に沈めた。その拍子に熱が集中している彼の情欲の塊が下着越しに触れて戦慄が走る。



「だってね、僕は月弓ちゃんじゃないと駄目なの」

「待って天糸君」

「他の女の裸で興奮できないし、欲情なんてもっとしない。だけどほらね、月弓ちゃんの胸を見ただけでこんなにも熱くなってるの」

「冷静になろうよ」

「僕はずっと冷静だよ」



恐る恐る口にした言葉がピシャリと遮断される。腰を微かに揺らして情欲を私に擦り付ける彼が、何の前触れもなく私の胸の頂きを口に含んだ。自分の唇を割いて漏れる言葉にならない声。


ビクンと身体は大きく反応し、腰が浮く。初めての刺激に処理が全く追いついていなかった。



「ねぇねぇ月弓ちゃん、分かる?月弓ちゃんがこんなに僕を興奮させているんだよ」

「…っっ」

「嗚呼、愛してるよ。月弓ちゃんと一つになりたい」



荒い息に混じって耳元で吐かれた台詞に絶句する。ベルトを片手で器用に外して制服のスラックスのチャックを下ろす音がやけに大きく鼓膜に響く。



「恐くて泣いてる月弓ちゃんのお顔、とっても綺麗だよ」



嬉しくない褒め言葉を降らせた天糸君の纏う雰囲気は酷く官能的で、彼の表情はそれはそれは扇情的だった。天糸君は、艶やかな色気に満ち満ちていた。


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