僕の欲しい君の薬指
彼の体温で皮膚が火傷を負ってしまいそうだった。彼の愛で心が焼けてしまいそうだった。どこもかしこもジリジリと熱くて、痛くて、苦しかった。
悪戯に私の胸を弄んでは歯を立てて、丁寧に吸い付き、キスマークを一つまた一つと咲かせていく天糸君は、泣きじゃくる大人気ない私の眼球までも舌先で愛撫する。気味の悪い感触に犯され、口からは短く喘ぎ声が漏れる。
自分の声が艶めいていて、とても嫌だった。これが夢だったら良いのにと願ってしまう。全部全部夢であって欲しい。瞼を持ち上げて夢から醒めた時には、仲の良い普通の従姉弟同士に戻ってくれたりしないかな。
「クチュクチュしてるの、聴こえる?月弓ちゃんが僕の為にトロトロの蜜を溢れさせてくれているんだよ。分かる?」
「やだ……っっ恥ずかしいよ…」
「僕は愛おしいよ、何もかも」
非現実的な私の淡い願望を、この子は容赦なく打ち砕く。壊して、壊して、壊して、壊して、私の気持ちを粉々にして妖艶に微笑みを浮かべる。
誰にも触れられた事のなかった自らの恥部へ彼の指が挿入されて掻き乱す。身体の奥が擽られる感覚に腰が揺れて頭が朦朧とした。音を立てて溢れるそれは、まるで天糸君を求めているかの様だった。
「気持ち良いの?月弓ちゃんのお口から、唾液が垂れちゃってるよ」
「んっ」
「ふふっ、蕩けてて可愛いね」