「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

 薔薇の花が咲き誇る王宮の美しい庭園で、俺はテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢に婚約破棄を考えていると伝えた。

 テレーゼはピクリと肩を震わせ、飲みかけていた紅茶をテーブルに置く。

 沈黙が流れた。

『そんな事おっしゃらないでくださいませ。わたくし、ロイ様の事が……』

 涙ながらに縋るであろうテレーゼの言葉を俺は黙って待った。


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