うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
「アイドル活動って言ってもみんな学生だからそこまで多く無いし。それに学期末トーナメントに俺は出ないから」
「え⁉ そうなの⁉」

 当然のように出ると思っていたから本気で驚く。
 どうしてだろう?
 雄翔くんのバトルも楽しみにしてたのに……。

「俺と陽向はメタモルフォーゼも出来てバトルに慣れてるだろ? だから今回はトーナメントに参加しないで初めにデモンストレーションしてくれって頼まれてるんだ」
「あ、そうなんだ。じゃあ、雄翔くんのバトル自体は見れるんだね」
「っ!」

 良かったぁと笑顔を雄翔くんに向けると、何故か手のひらで口元を覆って目を逸らされた。

「やばっ……かわいすぎ」
「え? なに?」

 口を覆っていたし、声自体も小さくてちゃんと聞き取れなかった。
 聞き返したけれど、「いや……」としか返ってこない。

 私、なにか変なことしちゃったのかな?

 ちょっと不安になる。

「……ねぇ」
「え?」

 そこに千代ちゃんが声を掛けてきた。
 雄翔くんと話している間三人が大人しいなぁと思っていたら、どうしてかジッと見られていたみたい。

「な、なに?」
「もしかしてあなたたち……付き合ってる?」
「ふぇえいっ⁉」

 千代ちゃんのトンデモ発言に変な声が出ちゃった。
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