うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
違う、歌えるよ。本当は、歌えるのに……。
口を開いて歌ってみようとするけれど、声が出ない。
喉が……震えてくれない。
「おい、どうしたんだ? ケンカはダメだぞ?」
なかなかプリントを持ってこないからか、植木先生も様子を見に来たみたい。
「あ……」
「バトルしよう!」
「え?」
植木先生にプリントを渡さなきゃ、と思考が切り替わるのを引き戻すように吉岡さんの声が大きく響く。
「プレイヤー志望なんでしょ? 《シング・バトル》なら歌えるのよね? だったら今すぐあたしとバトルして。……植木先生、立会人してくださいよ」
「え?」
「は?」
私と植木先生の困惑した声が続く。
でも、困惑したのは私たちだけじゃないみたい。
近くにいる雄翔くんたちや千代ちゃんたちもみんな似たような表情をしていた。
「何だか良く分からないが、先生はまだ仕事があるんだ。立会人が欲しいなら……悪いが橘、頼まれてくれるか?」
「え? ああ、はい。良いですけど……」
植木先生は雄翔くんに代わりを頼むと、私からプリントを受け取る。
「バトルはいいが、ケンカはするなよ?」
そして最後にそう言って教室を出て行った。
「……」
放置されてどうしようかと思ったけれど、吉岡さんの勢いは止まらない。
「じゃあ訓練ルームに行くわよ! あなたがプレイヤーとして問題ないか、白黒ハッキリさせてあげるんだから!」
口を開いて歌ってみようとするけれど、声が出ない。
喉が……震えてくれない。
「おい、どうしたんだ? ケンカはダメだぞ?」
なかなかプリントを持ってこないからか、植木先生も様子を見に来たみたい。
「あ……」
「バトルしよう!」
「え?」
植木先生にプリントを渡さなきゃ、と思考が切り替わるのを引き戻すように吉岡さんの声が大きく響く。
「プレイヤー志望なんでしょ? 《シング・バトル》なら歌えるのよね? だったら今すぐあたしとバトルして。……植木先生、立会人してくださいよ」
「え?」
「は?」
私と植木先生の困惑した声が続く。
でも、困惑したのは私たちだけじゃないみたい。
近くにいる雄翔くんたちや千代ちゃんたちもみんな似たような表情をしていた。
「何だか良く分からないが、先生はまだ仕事があるんだ。立会人が欲しいなら……悪いが橘、頼まれてくれるか?」
「え? ああ、はい。良いですけど……」
植木先生は雄翔くんに代わりを頼むと、私からプリントを受け取る。
「バトルはいいが、ケンカはするなよ?」
そして最後にそう言って教室を出て行った。
「……」
放置されてどうしようかと思ったけれど、吉岡さんの勢いは止まらない。
「じゃあ訓練ルームに行くわよ! あなたがプレイヤーとして問題ないか、白黒ハッキリさせてあげるんだから!」