命令教室
カーテンには他の部屋とは違う、分厚い遮光カーテンが下げられているのがわかった。
ここの部屋の窓は施設の裏側に位置しているから、それほど日光が入ってくるとも思えないけれど、どうしてだろう?
不思議に感じて近寄り、カーテンにふれる。
しっかりとした手触りのカーテンがふわりと揺れたとき、その奥になにかが見えた。


「なんだろう」


ひとり呟いてカーテンを開ける。
すると窓にはビッシリとお守りが貼り付けられいたのだ。
窓のすべてを覆い隠すように貼られた無数の御札に「キャア!」と悲鳴を上げて飛び退くと、そのまま尻もちをついてしまった。


「なんだよこれ」


修もその異様な光景に唖然としている。


「御札はドアだけじゃなかったんだ」


畳に落ちている破れた御札に視線を落として呟く。
こんなにも頑丈に出入り口を塞ぐように御札がはられているということは、なにか重大なことが起こったに違いない。
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