夜空へ虹の架け橋を
エピローグ

きっとまた、未来で……


 ―― 遠い未来 ――


 ――神社の境内に、笑い声が響く。


「ねえ、はやく食べさせてあげなよ」

「ちょっと、急かさないでよ」


 串焼きを両手に持ち、わたしはちょっぴり声に怒りを混ぜた。


「ごめんね。輪廻《リンネ》が降りてくれなくてさ」


 もう、と思いながらも、彼の口元に串焼きを持っていく。


「あーあ、いちゃついてくれちゃって。なんだか今日は暑いわね」

「てかよ、お前の猫のせいだろ」


 口元に差し出した串焼きにがぶりとかぶりつき、彼は言った。


「うん、うまい。お祭りで食べる串焼きは最高だね!」


 それを見て、食べさせてあげてよかったと思うわたし。


 ほうっと安堵のため息をつくと、大きな音と共に、夜空に七色の花火が上がる。


「花火だー!」


 相変わらず元気なんだから。




 五人で肩を並べて、色とりどりの夜空を見上げる。


 その手には、それぞれ色違いのヨーヨーがぶら下がっている。


 わたしはなんだか嬉しくなって、みんなに言った。



「ねえみんな! 来年も再来年も、またこうして一緒に花火観ようね!」





 夜空へ虹の架け橋を/了




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