上司の甘い復讐



想像通りの言葉。

私も確かに、20代の女性向きではないと思った。

だけどこのハゲ崎が首を縦に振らないから、デザイン部門は何回も何十回もやり直しを喰らっている。

だからいい加減可哀想だ。



「なんだ、その恨めしそうな顔は」


ハゲ崎は鼻で笑う。


「まさかお前、可哀想とか思ってないよな?

何回も質の低い提案に付き合う俺たちのほうが可哀想だ」




うわー……ハゲ崎、悲劇のヒロインにでもなりきっているのか。

悲劇のヒロインは私なのに。

こんなにも残念なハゲ崎に付き合って振り回される、私こそが悲劇のヒロインだ。


< 12 / 349 >

この作品をシェア

pagetop