上司の甘い復讐
想像通りの言葉。
私も確かに、20代の女性向きではないと思った。
だけどこのハゲ崎が首を縦に振らないから、デザイン部門は何回も何十回もやり直しを喰らっている。
だからいい加減可哀想だ。
「なんだ、その恨めしそうな顔は」
ハゲ崎は鼻で笑う。
「まさかお前、可哀想とか思ってないよな?
何回も質の低い提案に付き合う俺たちのほうが可哀想だ」
うわー……ハゲ崎、悲劇のヒロインにでもなりきっているのか。
悲劇のヒロインは私なのに。
こんなにも残念なハゲ崎に付き合って振り回される、私こそが悲劇のヒロインだ。