上司の甘い復讐



だけど……


「大倉」


なんと、この粗末な会話をハゲ崎に聞かれていたらしい。

忍者のように気配を消して背後に忍び寄ったハゲ崎は、腕を組んで私を見下ろしていた。

そして、にこりともせずに聞く。



「この商品のターゲットは?」


「……は、はい!20代の女性です」


「分かっているのか。

子供たちが喜んで買ってくれそうですぅ♪つってるから、テメェの頭の中すっからかんかと思った」


仏頂面のハゲ崎に、恐る恐る聞く。


「あの……要するにこのデザインは……」


「却下だ」


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