上司の甘い復讐



私の思考は、


「大倉さん!」


山村君の楽しそうな声に掻き消された。

目の前には大きなかき氷を持った山村君がいて、


「大倉さん、一緒に食べましょうよ」


なんてスプーンを差し出す。

つられてぱくっと食べてしまったが、後から罪悪感が押し寄せる。



「大倉さん、美味しいですか?」


「う、うん。ありがとう!」


答えながらも、翔太さんに見られていないかと辺りを見回す。

だけど当然翔太さんの姿はなく、


「川崎さん、来なくて良かったねー」


なんて横山さんが笑っている。

頷きながらも、翔太さんがいたらいいのにと心から思った。



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