上司の甘い復讐
「えっ?か、川崎さん、いないよ?」
思わず言うと、
「ハゲ崎じゃないんだ」
横山さんに突っ込まれた。
だから口を噤む。
私は以前、翔太さんのことが嫌いすぎて、口を開けば文句ばかり言っていた。
だけど今は好きすぎて……なんてこと、言えるはずもない。
「何言ってるんですか?
ほら、あそこ!」
酔っ払い山村君は急に立ち上がり、私の手をぎゅっと引く。
不覚にも山村君に引っ張られる形で私は立ち上がり、歩き出す。