上司の甘い復讐


それでも山村君とご飯を食べに行くことなんて出来るはずもなく、


「ごめん。今はそんな気分じゃないんだ」


答えていた。



横山さんは


「瑞希ちゃん、気にしなくてもいいんだよ」


なんて慰めてくれるが、私は怒られたから落ち込んでいるわけではない。

だけどそんなこと、横山さんに言えるはずもなかった。



「ありがとうございます。

私、帰りますね!」


そう言って立ち上がると、


「大倉、一緒に帰るか」


何を思ったのか翔太さんが立ち上がる。

だから私は彼を睨んで告げていた。


「川崎さんとは二度と一緒に帰りません」



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