上司の甘い復讐
ハゲ崎は少し頬を染めて私を見る。
こんな顔も大好きだ。
そして、言いにくそうに告げたのだ。
「ミキちゃん……俺の家で良かったら……」
「……え?」
ハゲ崎を見上げる。
すると彼は頬を染めたまま、愛しそうに笑う。
その綺麗な目が細くなり、口角が上がる。
そんな愛しいハゲ崎を見上げながら、私はこくんと頷いた。
もちろん、ハゲ崎の家に行くということは、それを意味している。
ハゲ崎に抱かれそうになったら、「あんたの惚れた女は大倉でしたー」なんて馬鹿にしてやるつもりだった。
でも今はそんなこと、出来ない。
ミキとしてでもいいから、優しいハゲ崎の隣にずっといたい。
恋愛って惚れたほうが負けだとか言うが、私の完敗だ。