上司の甘い復讐



奴から離れ、給水室にいた横山さんにぼやく私。


「ハゲ崎のお茶に、雑巾の搾り汁でも入れてあげましょうか」


すると横山さんが苦笑いしながら言った。


「川崎さんも酷いけど、瑞希ちゃんって本当に川崎さんのこと嫌いだよね」


その言葉に胸がずきんとした。



ハゲ崎なんて大嫌いだった。

ハゲればいいとずっと思っていた。

だけど、今はこんなにも好きだ。

彼を思い出すたびに胸が甘く切なく震える。

だけど今さらながら、川崎さんが好きです、だなんて言えるはずもない。


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