ラーメン屋さんの彪(タイガ)くん
気まずくなっちゃった
なんの話をしましょう?
さっき教えてもらった数学と
大河原さんの彼女のことが
グルグル頭を回る
数学忘れちゃいそう
夜の風が
ふたりの間を通る
「オレの彼女になってよ」
ちょっと自信なさそうに
大河原さんからそう聞こえた
空耳じゃないですよね?
「え…あの…」
自信がなくて狼狽えた
「オレの彼女になってほしい」
さっきより強い言い方
「わ、私がですか?」
「オマエしかいねーだろ」
戸惑う
好きな人の彼女になれる
好きな人がそう言ってくれてる
なのに
即答できない
「…」
「明日まで
考えておいて…」
「はい…」
こんなに嬉しいことはないのに
すぐに答えられなかった