グランマは 音と ともに
グランマ
 じつは、
グランマはたいそうな実業家で
ありました。

が、何せ

趣味で、気のついた。
気の利いたようなモノを、
創っているうち。

気がついたら
『あとで、
食べようとおもっていた
アンコ玉』
が、
いつの間に食器棚からなくなって、
いたり。


 独り言。
自分の、一人の時間すら、

共有すべきもの。

に、
なって、いたり。


 挙げ句に
 「夢のドリームチケット」
のような、生き物の株券。

膨らみも
縮みもする印税、ロイヤリティ契約等。

 引き続き育て続ける、目の離せないものものに、

愉しみ。

を見いだせれば良かった、
のだけれど。

「くそばばあ引っ込んでろっ」
だとか。

「俺たちに、やらせろ!」だとか、
若い者に言われると、

途端に。
つまらなくなり。


ばばあがしぬのを指おりて待つなんて、
物騒な事を言われる前に。早々に。

 すべての資産を、
換金精算し。

税金の。

手切れ金をきっちり国に払い、自由な。

○プラン程度には、文書けます。

○アドバイス程度には、
絵コンテ、描けます。の、

「化けモノにならない一筆。」の、権利と、
引き換えに。


 よかれとおもい、
化けモノを育て。

その化けモノを、飼い慣らし。


それを、
喰い尽くせればよかったのだけれど、逆に。

 これからという時に、逆に化けモノに命を喰い尽くされた、
若い作家を。


グランマは哀しく
知ってしまっていた。

からでした。




 弱冠二十歳。もとい、
四十代半ばの早すぎるリタイアでした。

 グランマは、
セレブのパーティには
とても、恥ずかしく。

到底行かれない、程の
ちょうど良い資産をもって

海を渡りました。
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