Dear.Mother【母の日短編集】
褒められてるのは嬉しいけど、今は素直に喜べない。
だって今からデート風の撮影なんでしょ!?
撮影でも蒼永が他の女の子と一緒にデートなんて、嫌だよ……。
でもでも、これはママのためでもあるし……!!
ぐぬぬっと両方のほっぺを自分でつねる。
仕方ないんだ、我慢しなきゃ……。
撮影が始まった。
30日間の着回しコーデを紹介する特集で、蒼永は千歳さんが気になっている大学の同級生という設定らしい。
現役大学生と並んでも全然違和感ないな…。
美男美女でものすごくお似合い……あ、ダメだ、結構キツいかも。
最終的には告白されて付き合うみたいなお話になるらしいし、カップルみたいな2ショットは見たくない。
私は飲み物を買いに行く体で撮影場所から離れた。
ママもひどいよ…先に言ってくれたらいいのに。
「はぁーー…」
ちょっとこの辺ブラブラしちゃおうかな――…
「あれ?編集長の娘さん?」
「あ、はい…」
「私、緑山といいます。
入社当時は編集長が教育係だったんです!その当時からお世話になってます」
「娘の咲玖です。
こちらこそ、母がお世話になってます」