Dear.Mother【母の日短編集】


ドキドキしながら何枚か写真を撮ってもらい、今日の撮影は終了した。

何だかんだ私は来てよかったと思う。
ママのバリバリ働く姿が見れたし、蒼永もめちゃくちゃカッコよかったし。

完成した雑誌が見れるかどうかはわからないけど……。


「蒼永くん!今日は本当にありがとう!!
助かったわ」

「いえ」

「それで中華のお店なんだけど、まだ仕事残ってて私は出られないのよ。
予約しとくから二人で行ってきてくれる?このカード使っていいから」

「わかった〜。じゃあ先に帰ってるね〜」

「気をつけて帰るのよ」


そう言うとママは慌ただしくどこかに電話をかけ始めた。
本当に忙しそうだなぁ。

残念だけど、まあ仕方ない。
せっかくなのでたっぷりご褒美を堪能しよう。


「蒼永行こ〜。撮影どうだった?」

「慣れないからちょっと疲れた」

「お疲れ〜」

「ねぇ咲玖、本当は妬いてたでしょ?」

「えっ!?いや、その…」

「あのモデルの人、彼氏いるんだって。撮影中に教えてくれた」

「そ、そうなんだ…!」


< 17 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop