愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
リア・セルナードと別れた私は、小さく息をはいた。

「おい、ため息なんて珍しいな」

「急に現れないで、びっくりするわ。それに言葉遣いに気をつけなさいといつも言っているでしょう、アレン」

「相変わらず、セレアは真面目だな」

アレンはシールベルト伯爵家の一人息子で、幼い頃から仲が良く、数少ない気負わずに話せる友人だ。

「セレアがリア・セルナードになんの用事があったんだ?本当に噂通り悪役令嬢にでもなるつもりか?」

「冗談はよして。リア様には勉強を教えたいと申し出たところよ」

「勉強を?今回、平均点でリア・セルナードより順位が低かったセレアが?」

「それは・・・」
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