愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「アレン・・・」

「そんなに悲しい顔で殿下を愛するなら、俺と一緒にいればいい」

「ねぇ、アレン。本当はもう一度殿下を信じようと思ったの。私は間違っていたのかしら・・・?」

自分の声が段々と潤んでいくのを感じる。


「セレア、俺は絶対にセレアを不安にさせない」


「アレン、前に私のことを馬鹿だと言ったわよね。アレンは殿下とリア様の噂の真実を知っているの?」

「セレア、俺はずるいやつなんだ。セレアだって知っているだろう?今、セレアが弱ってる時がチャンスなんだ・・・って言うつもりだったんだけどな」


アレンが悲しそうに笑った。
< 46 / 52 >

この作品をシェア

pagetop