主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
花嫁様は力になりたい
「━━━━これから、どうする~?」
「飲み足りない人~?」

居酒屋を出た、一行。
まだ飲み足りない社員達が、声をかけていた。

「理亜、神くんと話せた?」
そんな中、理亜に耳打ちする紅葉。

「う、うん…まぁ…ね/////」

「フフ…良かった!」

「山神さんと紅葉さんは、どうする?」

「私は、付き合います!」
と、理亜。
「あ、私も━━━━━━」

「紅葉様!!」
そこに、雲英が立って待っていた。

「え?甲斐?」

タタタッと駆けてきて、紅葉の手に指を絡めて握った雲英。
反対の手で、紅葉の頬に触れた。

「やっと会えた……!
帰りましょう!」
「え?でも、まだ皆さんと……」

「紅葉様、もう21時を過ぎています。
あまり遅くまでは出歩かない方がいいですよ?
それに━━━━━」
紅葉に耳打ちする、雲英。

「……っ…/////」
雲英の言葉を聞いて、一気に顔を赤くする。

「ね?帰りましょ?」
「う、うん/////」

“それに、早く二人っきりになって貴女を抱きたいから……!”

「申し訳ありません。妻は連れて帰ります!
お疲れ様でした!」
雲英が社員達に丁寧に挨拶すると、社員達も会釈する。

「あ、理亜さんもお疲れ」
「えぇ!」

「雲英さん!!」

「ん?あ、志岐か」
「お疲れっす!」

「お疲れ」
軽く返事をして、車に向かおうとする。

「あ、甲斐!ちょっと待って!」
「え?」

「神くん。
“理亜を”よろしくね!」
意味深に言って、小さく手を振り「皆さん、お疲れ様でした!」と雲英に手を引かれて車に乗り込んだ。


帰りの車内で、クスクス笑っている紅葉。
「紅葉様、何かあるんですか?
志岐と理亜さん」

「ん?フフ…」

「なんか、悪戯を思いついた子どもみたいですよ?(笑)
可愛い/////」

「フフ…理亜と神くんね。お互いにまだ好きなんだと思うの。
だから、仲を取り持ちたくて……!」

「さようですか!
フフ…紅葉様らしいな!」

「なんとか、出来ないかな?」

「そうですね。
でも、二人の問題でもありますし」

「そうよね…」

「………」
「………」
窓の外を見て、考えている紅葉。
それを、横目で見る雲英。


「………今度、四人で何処かに行きますか?」
そんな紅葉に、雲英は提案するように言った。

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