主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「でも、紅葉」
「へ?」

「神を惚れさせないでよ(笑)」

「へ?」

「紅葉相手だと、ほんと敵わないから!」

「え?え?
神くんが、私を?
あり得ないよ!!」

「なんで、そう言いきれんの?」

「神くんは、理亜が大好きだから!」

「は?」

「見てたらわかる!
神くん、女性好きだけど、理亜を見る目だけは特別なの」

「……/////」

「フフ…理亜、顔が赤くなった~(笑)」

「ちょっ…/////からかうな!!」

「フフ…」



そして仕事が終わり、会社を出ると雲英がいつものように微笑み駆けてきた。

「紅葉様、お仕事お疲れ様でした!
体調は、お変わりないですか?」

「うん、大丈夫」

「良かった…
病み上がりですので、心配してました。
顔色もいつも通りで、無理もなさってないみたいですね!
安心しました!」

「………」

「ん?紅葉様?どうされました?」
見上げ、ジッと見つめてくる紅葉。
雲英は首をかしげ、優しく頬を撫でる。

「甲斐」

「はい」

「私はちゃんと……」

「はい」

「甲斐を支えることできてる?」

「え?」

「甲斐に相応しい、奥さんでいられてる?」

「紅葉…様?」

「甲斐はちゃんと、自信を持って私と結婚できて良かったと思ってる?」

「………もちろんですよ!」

「ほんと?
私、雲英の妻です!って、自信を持って言っていいんだよね?」

「もちろんです!
僕の妻は、紅葉様にしか務まりません!
貴女はちゃんと、僕の支えになってくれてます」

「家事、何一つできないよ?」

「それは、僕の仕事です。
それに“そうさせたのは”この僕です」

「お仕事だけしかできないよ?」

「十分です!
それに、志岐や理亜さんが言ってましたよ?
“紅葉に仕事を任せるのが、一番安心できる”って」

「ほんと?」

「はい!
貴女は、僕の自慢の花嫁様です!」

「………/////」

“僕の自慢の花嫁様”

雲英の満面の笑みと言葉。
紅葉は口元を両手で塞ぎ、目を潤ませた。

「紅葉様?
どうし━━━━━━」
雲英に抱きつく、紅葉。

「甲斐!ありがとう!」

「フフ…」

「甲斐好き!大好き!!」

「フフ…僕も大好きです!」

不安が、一気に吹っ飛んだ気がした。
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