主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
貴女は僕の自慢の花嫁様
「━━━━紅葉様、やはりこれは……」

「え?
私のお願い聞いてくれるんでしょ?」

「はい。
しかし、他のお願いにしていただけませんか?」

「嫌。
雲英は、座ってて!
だって━━━━━」


紅葉のお願いとは━━━━━

「今日一日“私が”雲英のお世話する日なんだから!」

そのため、紅葉は家事をしようとしていた。
仕事は休みだ。

「よし!まずは……朝食だね!」

紅葉は、一冊のノートを取り出した。

「紅葉様、これは?」

「ん?理亜がね、書いてくれたの!」

理亜の手書きの、家事のやり方の数々だった。

「えーと……調理…調理…
朝食……あ!これだ!
パンをトースターで焼いて、目玉焼きとサラダ。
よし!
……………雲英、簡単な物ばかりの食事になるけど、ごめんね!」

「いえ!
そのお気持ちだけで僕は……!!
紅葉様、僕にもお手伝いを━━━━━」

「お手伝い?」

「はい、お手伝い」

「………」

「紅葉様?」

「ダメ」

「え?」

「お手伝いにすると、雲英がほとんどして、私はお皿を出すだけとか、ボタンを押すだけとかになるから!
だから、ダメ」

「………」

「はい、雲英はソファに座ってて」
雲英の背中を押し、ソファに促した。


そして、朝食作りに取りかかる。
トースターに食パンを入れる。
「えーと…三分…よし!
その間に、サラダを作る。
レタスは手でちぎる。
………って、どのくらい?
このくらい?」

ブツブツ言いながら、ガラスボールにレタスを入れる。
プチトマトを入れ、きゅうりをまな板に出した。

包丁を取り出そうとする。
「ん?今日は、ちゃんとここにある。
お留守番してた時は、なかったのに……
…………まぁ、いいか!」

包丁を握り、理亜のノートを見る。
赤ペンで“反対の手は、猫の手!!”と書かれていた。

「猫…猫…
うー、押さえにくい……」

ゆっくり、包丁をきゅうりに当てた。

「頑張れ!頑張れ、紅葉様!」
カウンター越しに、雲英が応援している。

サクッと、一枚斜め切りする。

「「切れたー!」」

「紅葉様、お上手です!」
拍手をする雲英と、斜め切りしたきゅうりをペラペラを雲英に見せる紅葉。

「よし!この調子で━━━━━━」
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