主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
雲英は後日、紅葉の父親で自身の義理の父の元へ行っていた。

「━━━━━お義父様に、内密にお願いがあります」

そして亞嵐、神、理亜にも声をかけ、ある頼み事をしたのだ。


そしてまた後日。

「━━━━紅葉、明日紅葉の誕生日でしょ?」
「え?うん!」

「それでね。
ささやかなお祝いしたいの。
時間くれない?
羊さんには、許可得てるから」

「うん、もちろん!」



そして当日理亜が迎えに来て、紅葉は亞嵐の運転する車に乗せられた。

「え?亞嵐さん?」

「フフ…こんにちは!
僕も、お祝いに参加させてもらいました!」

「わざわざすみません!
でも、ありがとうございます!」


そして、連れていかれた所は━━━━━

「え………」
小さな結婚式場だった。

「紅葉、こっち!」

「え?え?
私、結婚式は……」

「お嬢様」

「私、帰ります!」
踵を返そうとする、紅葉。

「紅葉!」

「お嬢様。
雲英の願いなんです。
聞き入れてあげてください!」

「でも……」

「大丈夫ですよ。
出席者はお嬢様と雲英の父親、僕と両親、神くんと理亜ちゃん、蓮汰くんと睦実ちゃん、後は空神の使用人だけです。
お嬢様と雲英を傷つける人は、来ません」


亞嵐の説得で、中に入る紅葉。

「急だったから、大したことは出来ないけど……
お祝いさせてね、紅葉!」

「ありがとう!理亜」

「うん!
で、このドレス、羊さんが選んだの!
私は会場に行ってるからね!」
理亜が微笑み出ていく。

紅葉は、ウエディングドレスを見て顔をほころばせた。
「綺麗…/////」


着替えて、部屋を出ると父親がいた。
「お父様」

「………////これは、参ったな////
紅葉、とても綺麗だ……!」

「ありがとう!」

「フッ…
びっくりしたよ。
突然、雲英から“お願いがあります”なんて言われてな」


一ヶ月前━━━━━━

『お義父様に、内密にお願いがあります』

『何だ?』

『結婚式をさせてください。
紅葉様と僕の』

『急だな。
結婚式はしないのではなかったのか?』

『はい。
しかし、紅葉の本心は違ったんです』

『ほぅ。で?』

『あの方は、僕のために“式をしない”という選択をなさっていました』

雲英は、父親に訳を話した。

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