天使くん、その羽は使えません (短)
天使くんのピンチ







天翔くんと一緒の家に住んで、少しの日が経った。ほんの少ししか一緒にいない。けど、それだけでも分かる。

天翔くんは、完璧なんだって。


「ねぇ、今日って体育があるんじゃないの?」

「え、あ、そうだった!体操服!」

「出してるよ、ほら」


天翔くんの手には、私の体操服。どこにあったんだろう。全然気づかなかったよ!

「ありがとう」とお礼を言って、いざ。カバンの中に!


ぎゅッ、ぎゅッ


「……は、入らない」

「はぁ……」


無表情なのに呆れてる声を出せる天翔くんって、とっても器用だよね!

またまた「ありがとう」と言いつつ、天翔くんが出してくれたサブバッグの中に入れる。

よし、これで準備OK!


「あ、今日は部活が休みだからさ、」
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