天使くん、その羽は使えません (短)
「……公園に集合、だよね?」

「そう!さすが天翔くん!やっぱり完璧だよー!」


集一で訪れる部活休み。その日に勉強でもすればいいんだろうけど……。

やっぱり私はバドがしたくて、例のごとく、天翔くんに自主練に付き合ってもらっている。


「私15時頃には公園に着くと思う!だから天翔くんも、それくらいにラケットバッグを持って来ておいてねー!」

「わかった」

「じゃあ、いってきまーす!」

「はいはい」


天翔くんの無表情を最後に見て、私は部屋のドアを閉める。

天翔くんは、学校には行かない。天使だからね。でも「天使だから学校ないんだよねー」とは両親に言えないから、こんな風に誤魔化してる。


天翔くんは学校に行けない理由があるみたい――


そう言うと、同情した両親が「天翔くんが自分で行きたいと思うようになるまでは、そっとしておこうね」と言ってくれた。


(お父さんお母さんに、嘘ばかりついて申し訳ないなぁ)


罪悪感で、チクンと胸が痛む。

そして、その罪悪感を抱いたまま――私は一日を終えた。

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