転生アラサー腐女子はモブですから!?
美少年三人をオカズにあらぬ妄想を繰り広げニヨニヨしていたアイシャは気づいていなかった。いつの間にかダニエルと金髪碧眼の美少年が消えていることに。そして赤髪の少年がこちらに向かって歩いて来るではないか。
(ヤバイヤバイヤバイ……)
焦ったアイシャは、慌ててその場から四つん這いで逃げようとして捕まった。
「これはこれは、毛色の変わった猫が捕まりましたね。ピンク色のメス猫とは珍しい……」
背後に立つ彼のドスの効いた声に震える。
(このまま走って逃げたらダメかしら?)
そんな姑息な手段を考えていたアイシャだったが、ゆっくり近づいて来た赤髪の彼に肩を掴まれ、振り向かざるを得なくなった。
赤髪の彼と目が合う。
アイシャは最後の勇気を振り絞り眼前の彼を睨みつけた。
(私はアラサーよ! こんな子供に負ける訳ないじゃない!!)
「そっ、その手を離してくださいませ! わたくしが自分の家で何をしていても貴方には関係ありませんでしょ!!」
アイシャは赤髪の彼の手を振り払い、ガクガクと震える足を叱咤し、背筋を伸ばし歩き出す。この時ばかりはボリュームのあるドレスを着ていて良かったと本気で思った。
逃げることに精一杯だったアイシャに赤髪の彼の不穏なつぶやきは届かない。
「あれが、アイシャ・リンベル伯爵令嬢ですか。『白き魔女』の末裔。なかなか楽しめそうだ……」
(ヤバイヤバイヤバイ……)
焦ったアイシャは、慌ててその場から四つん這いで逃げようとして捕まった。
「これはこれは、毛色の変わった猫が捕まりましたね。ピンク色のメス猫とは珍しい……」
背後に立つ彼のドスの効いた声に震える。
(このまま走って逃げたらダメかしら?)
そんな姑息な手段を考えていたアイシャだったが、ゆっくり近づいて来た赤髪の彼に肩を掴まれ、振り向かざるを得なくなった。
赤髪の彼と目が合う。
アイシャは最後の勇気を振り絞り眼前の彼を睨みつけた。
(私はアラサーよ! こんな子供に負ける訳ないじゃない!!)
「そっ、その手を離してくださいませ! わたくしが自分の家で何をしていても貴方には関係ありませんでしょ!!」
アイシャは赤髪の彼の手を振り払い、ガクガクと震える足を叱咤し、背筋を伸ばし歩き出す。この時ばかりはボリュームのあるドレスを着ていて良かったと本気で思った。
逃げることに精一杯だったアイシャに赤髪の彼の不穏なつぶやきは届かない。
「あれが、アイシャ・リンベル伯爵令嬢ですか。『白き魔女』の末裔。なかなか楽しめそうだ……」