a Piece of Cake.

わたしの勢いに引いた顔をして聞いてくれる。

「ケーキの話したらケーキ食べたくなっちゃった……」
「ご飯三杯食べてたのに」
「甘いものは別腹だから」
「じゃあ聡現くんのお店行ってみたいかも」

それはとても賛成。この時間ならばお店に行っても聡現くんが厨房から出てくることは無いだろう。

湊ちゃんを連れてclairへ向かった。

短い列に並ぶと、わたしたちの後ろに人は居なかった。ショーケースの中も少なくなっている。

「いらっしゃいませ」

店員さんはわたしの姿を認識してから、隣の湊ちゃんへも笑顔を見せた。

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