a Piece of Cake.

「こういう妹です」
「重々承知しました……」
「だから、避けてたんですか」

わたしは曖昧に頷いてみせた。聡現くんは再度溜息を吐き、それには呆れと安堵が入り混じっていた。

「じゃあ今度からはちゃんと感想ください」

それにはしっかり頷いて返した。

「仲直り?」

夕美さんが首を小さく傾げる。
その仕草が聡現くんに似ていて、わたしは思わず笑った。

「はい」
「良かった。これからもご来店くださいね」

もちろん、と返した。聡現くんが口を開く。

「さっきのメロンの続き教えてください」
「今ここで? 暑いでしょ」

すかさず夕美さんが言って、続ける。

「家来ます?」



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