a Piece of Cake.
「それに、別れる理由に相手の為なんて言うのはずるいよ」
真ん中に刺さった。
「……そうだねえ」
「何も言えなくなっちゃうでしょ」
「でも言えなかった私も、そうじゃないって本当は思えなかったんだと思う」
「じゃ、別れて良かった」
にこ、と湊ちゃんが笑った。
仲の良い同期だけれど、ライバル会社だったら怖いと思う。
「湊ちゃんは最近どうなの?」
「私はなープラプラしてるのが好きだから」
「好きだねえ」
「遊べる人と遊ぶのが好きなんだよね。純愛とか重すぎるよ」
明るく笑う湊ちゃんと、奈緒さんの彼女にプレゼントするものを買って別れた。