夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!




(お風呂でも入ろうかな?)

柱の時計は10時半。
そろそろ寝る準備をしないと。



そう思った時に、襖が開いて、たっくんが出てきた。
またトイレかな?



「じゃあ、俺…今からちょっとバイトに行ってくるから。」

「えっ!?バイトって…体は大丈夫なんですか?」

「まだだるいけど、だいぶ眠ったからマシにはなってるはず。」

そりゃあまぁ、ベンチよりは寝やすかっただろうけど、さっきまで熱があったのに。



「えっと、とりあえず、熱を測ってみましょう。」

熱は38℃台のままだった。
たっくんは、困った顔をしている。



「その熱だとちょっと無理なんじゃないですか?」

「でも…クビになったら困るんだ。
住所がないとなかなか雇ってくれるところがなくて。」

だろうね。
そうだと思うよ。
でも、どんなバイトなのか知らないけど、38℃越えの熱で仕事なんて出来る?



(あ……)



「あの…しばらくここにいたらどうですか?
で、住所もここのを使って、もし、今のバイトがクビになってもまた新たに探せば良いじゃないですか。
住所があればみつかりやすいんでしょう?」

「……本当に良いの?」

「え……」

そう言われると、ちょっと心配になる。
私はたっくんのファンだったけど、知ってるのはごく表面的なことだ。
内面的なことなんて全く知らない。
そんな人をうちに入れて大丈夫なのかな?



(って、もう入れてるけど。)



大丈夫だよ!
たっくんだもん。
絶対、悪い人なんかじゃない!



「はい、そうして下さい!」

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