Beautiful moon
まだゲームの中での恋愛しかしたことの無い彼女が知ったら、幻滅されるだろうか。

なにせ、記憶が無いどころの話じゃない。

昨日の夜に起きたほとんどの事実が、私の策略によるものと言っていい。

今、ベットで眠りこけてる男性を、記憶を失くすほど酔わせて良心を失わせ、このホテルまで連れて入り、男性の本能を巧みにくすぐって、自然と交わりを持たせるように誘ったのは紛れもなく私の方。


”ホント、あざとい女ね”


呆れたように、それでいて悲しむように放った、彼女の透き通るような声音を思い出す。


これは【ゲーム】なんかじゃない。


すべてが現実で、起きた事実はリセットなどできないのだから。

今更もう引き下がることは出来ないし、それは許されないことなのだと知っている。

このまま【過去】は振り返らず、前を向き、ただまっすぐ先【未来】を進むしかない。

…そうね。

これは私だけじゃなく、彼女の為にも…。






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