冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
リュアンも同様に捨て置かず、一旦セシリーから離れるとキースの襟首を掴み上げ怒鳴る。
「おい、馬鹿キースふざけたことを言うんじゃない! こんながさつそうなっ……もとい、芯の強そうな女性に俺の都合に付き合わせるなど可哀想だろう! 細やかな気遣いがいる社交場などに彼女を送れば、いらぬ恥をかかせることになるだけだ!」
「父上! 勝手にそんなこと決めないでよ! 私にこんな偏屈な……こほん、こんな思慮深い方のお相手として舞踏会に参加するなんてできるわけない! 分不相応すぎるもの!」
リュアンの決めつけも今は無視し、セシリーも父の方へと強い言葉で噛みついていく。
だがふたりの、互いへの遠回しな批判は一層キースたちを盛り上がらせ、彼らは仲良く肩を叩き合って勝手に話を進めていった。
「やぁやぁ、ふたりとも息ぴったりじゃないですか、オーギュスト氏。実は我々も細々とした備品を購入するのに融通の利く商会を探していましてね。その件も踏まえ、ぜひ御息女と団長の交流を前向きにご検討いただけませんか」
「おい、馬鹿キースふざけたことを言うんじゃない! こんながさつそうなっ……もとい、芯の強そうな女性に俺の都合に付き合わせるなど可哀想だろう! 細やかな気遣いがいる社交場などに彼女を送れば、いらぬ恥をかかせることになるだけだ!」
「父上! 勝手にそんなこと決めないでよ! 私にこんな偏屈な……こほん、こんな思慮深い方のお相手として舞踏会に参加するなんてできるわけない! 分不相応すぎるもの!」
リュアンの決めつけも今は無視し、セシリーも父の方へと強い言葉で噛みついていく。
だがふたりの、互いへの遠回しな批判は一層キースたちを盛り上がらせ、彼らは仲良く肩を叩き合って勝手に話を進めていった。
「やぁやぁ、ふたりとも息ぴったりじゃないですか、オーギュスト氏。実は我々も細々とした備品を購入するのに融通の利く商会を探していましてね。その件も踏まえ、ぜひ御息女と団長の交流を前向きにご検討いただけませんか」