冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「そんなはずない! だってあなたは私に色々なことを教えて、ずっと傍に居て守ってきてくれたじゃない! それが本当なら、なんであなたは私を……」

 その先は冗談でも言いたくなかった。彼女が自分に危害を加えるなんて……あの彼女から感じていた愛情が、全て偽物で、何らかの目的の元に装われたものだったなんて。

「はぁ…………。そちらにも色々とあるように、私にも自分自身ですら知らなかった事情があったのですよ。皆様は、両国に伝わる聖女の伝説をよく知っていらっしゃることと思われますが……その中に、ふたりの魔女が出てきたのは御存じでしょうか?」

 唐突にそんなことを言い出すエイラに、レオリンが苦痛の呻きを漏らしながら問いただした。

「リズバーンに与したと言われる、眷属たちか。それがどうした……奴らはリズバーンの封印の前に、王と聖女たちによって消し去られたはず……。いや……まさか」

 レオリンに意味ありげな笑みを浮かべて黙らせた後、エイラは静かに告げる。
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