冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「ふん、どうもこうもありませんよ。悔しかったらご自身で、一緒に舞踏会に出てくれるような女性を探してくればいいじゃないですか。それにセシリーさんはお可愛らしい方ですし。あなたとの相性も抜群だ。あんな風に女性と自然なコミュニケーションを取っているところ、私は初めて見ましたよ?」
「どう見てもあれはそういうんじゃないだろが! もういい……こうなったら力づくで否定させてやる!」
リュアンの指先が滑らかに魔法陣を描きだし、光があくまで飄々としたキースに向くが……。
「ちょ、ちょっと団長、こんなところで『雷撃』の魔法なんか止めてくださいぃ! 屋敷が黒焦げになっちゃいますぅ!」
「いけませんねぇ、他人様の家で暴れるなど品がない。騎士としての器が知れますよ」
ラケルが横から縋りついてそれを必死の思いで止める。だというのに、なおもキースは彼を挑発し、リュアンの怒りを煽り立てる。こうなってしまえば貴族も騎士も関係ない。
「どう見てもあれはそういうんじゃないだろが! もういい……こうなったら力づくで否定させてやる!」
リュアンの指先が滑らかに魔法陣を描きだし、光があくまで飄々としたキースに向くが……。
「ちょ、ちょっと団長、こんなところで『雷撃』の魔法なんか止めてくださいぃ! 屋敷が黒焦げになっちゃいますぅ!」
「いけませんねぇ、他人様の家で暴れるなど品がない。騎士としての器が知れますよ」
ラケルが横から縋りついてそれを必死の思いで止める。だというのに、なおもキースは彼を挑発し、リュアンの怒りを煽り立てる。こうなってしまえば貴族も騎士も関係ない。