6月、高嶺の花を摘みに
ひよりに、会いたくて。

私が知ってる結人は五年、六年前の姿。

私より二個上の結人が、今も生きていたなら。

幽霊じゃなくて、ちゃんと存在があったとしたら。

「あんな姿をしてたのかなぁ……」

空には少し欠けた月が浮かんでいる。

淡く光るその形が、世の中の希望に見えたような気がした。

どう考えたっておかしい。

非現実すぎるのだ。

「はぁ……」

ため息をつきながら、今日もやっぱりぼーっとする。

そんな時間もないのに。

早く着替えないといけないのに。

   *
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