私の担当医。
○橘サイド○
「すずちゃん!」
入院している患者さんの検査出しをしに1階を歩いていたら少し遠くのほうですずの名前を呼ぶ声が聞こえた。
今日は外出は許していないから気のせいだと思ったが...
そこには真由とすずの姿がみえた。
「少しここに座って待っててくれる?」
「はい」
患者さんに待ってもらってすずのところに向かった。
「何してるの?」
真「あれ先生いたんだ」
「1階に用事あってそのついでに検査出ししにきた。
すず、俺は許可してない、戻れ。」
「...」
真「どこ行く予定?私、休憩だから少しなら付き合うよ?私と一緒だったらいいでしょ?」
「ダメだ。」
俺のその一言で
すずは目を合わせないまま
エレベーターに戻って行った。
背中が元気ない
真「ねぇ、ちょっと厳しすぎないです?
すずちゃん、おかしくなっちゃうよ?」
「わかってる」
すずがエレベーターに乗ったことを遠目で確認して患者さんのところに戻った。
俺はどうしても透析して欲しい。
どうやって納得させるかずっと考えてた
でもそれが間違っていた。
本人の意思を尊重しなければいけないのに
俺の気持ちばっかりぶつけて。
早めに決めてなんて言ってしまった。
きっとすずは混乱してる。
透析の話をしてからみるみるうちにすずの元気がなくなっていく。早急にどうにかしたい。
だから明日、すずの気分転換になるように色々予定を立てている。2日連続で外出ると体調が心配だから今日は少し強引だけど止めた。