私の担当医。

救急の処置室に運ばれた。

翔「担当は橘先生なんですけどいまオペ中でこれません。ここまで痛がってるのは初めてなので俺たちもどうしたらいいかわからないんです。」

誰かに説明している。
目も開けられない。

医「わかりました、僕が見ましょう。
まずルートとってください。」

翔「わかりました。よろしくお願いします。」

私が病院に行かなくなった
医療従事者を信用できなくなった原因の医者

思い出してしまった。
海斗じゃない。
海斗じゃない人が私をみる

嫌だ

知らない間に身体が勝手に動いた。
痛みなんか忘れて必死に逃げようと身体を起こした

真「すずちゃん、大丈夫だよ。
まず点滴入れるだけだから。ベッドに横になって。」

点滴?
点滴って言った?

嫌だ

怖くて声も出ない。


翔「すず、ちょっと頑張ろう。
橘先生来るまでだから。」

医「鎮静剤入れましょう」

翔「え?」

大「いま治療しないとこの子がもっとしんどくなります、看護師さん!
鎮静剤、準備して」

やめて。やめてよ。
必死に逃げた。

鎮静剤入れられるなら死んだ方がマシ



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