そして消えゆく君の声
 
 雨の日の短い会話。

 ささやかな偶然が生んだそれは、振りかえれば、いくつもの出会いと別れ、そしてひとつの始まりをみちびく糸だった。


「朝には晴れたらいいなあ」


 絡まり、見失い。
 それでも決して切れることのない――


 ――細く、強い糸だった。

 
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