私が本物の令嬢です!

 伯爵が取り乱しながら大声を上げるので、マギーも夫人も驚愕の表情で黙る。


「あ、あなた……?」
 と夫人が声をかける。

「これは一体、どういうことかね? ナスカ伯爵」
「こんな騒ぎを起こすなんて、公爵家に何か不満でもおありなのかしら?」

 公爵家の面々は不信感を抱いた目で伯爵たちを見つめている。


「わ、私は何も知らん! この者の言ったことも、この者のことも知らんことだ!」


 伯爵は慌てふためきながら周囲をきょろきょろ見まわしている。
 そばで見ている夫人はふらりとよろけて侍従に支えられた。
 マギーは、意味がわからずに放心状態だ。


 何なの!?
 私の幸せを邪魔するものは何!?


 パーティの主役は私なのに!!!



< 63 / 97 >

この作品をシェア

pagetop