私が本物の令嬢です!

「あ、あの……今、そのことは関係ないことでは?」
「いや、あるんだ。君がフローラであることの証明にもなるから」
「え? ちょっと、何をおっしゃっているのか、よくわからないのですが?」
「答えてください、令嬢」

 セオドアの強い口調に対し、マギーは軽く怯え、震えながら声を出す。


「え、えっと……し、将来は、子供をたくさん、作りましょ?」

 その返答に、セオドアの表情が険しくなる。
 マギーは困惑しながら嘆きの声を上げた。

「もう、そんな昔の話は覚えておりませんわ!」


 ヤケになって嘆きの声を上げるマギーに、周囲がひそひそと話し出す。

「どういうこと? ナスカ令嬢は約束を忘れたということ?」
「10年前のことなんか、覚えているもんか」
「いや、でも婚約者なら……」



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