怖い話しようよ
暗く、不気味な山道を車は走っていく。今日は新月のため、車のライトがあるとはいえ、いつも以上に暗く感じてしまう。

「次のスポットは、ネットとかじゃなくてもっとちゃんとしたところを探そうぜ。心霊研究家の人が出した本とかに書いてあるところとかさ」

どこか暗く落ち込んでしまっている三人に対し、光彦はわざとらしく明るく声をかける。学がすぐに「そうだな」と返してくれたことに少しホッとしつつ、光彦は運転に集中した。

唸っている山道はハンドル操作を誤ればあっという間にガードレールを突き破り、崖下に転落してしまうだろう。自分だけではなく、三人の命を預かっているのだ。光彦のハンドルを握る手に力が入る。

「そういえば、この辺りで一年くらい前に事件がなかったっけ?」

「この辺りで?どんな事件なんだよ?」

理子の問いに真一が首を傾げる。この辺りでの交通事故の話は聞いたことがあるものの、事件の話は知らない。理子は事件について教えてくれた。
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