怖い話しようよ

理子がそう言うと、次に学が「三番目で」と手を挙げる。光彦が最後に話す番になるかと思いきや、女性が「私が最後に話したいです」と言い出し、光彦は四番目に話すことになった。

雰囲気を作るため、車内は静かになっていく。車のエンジン音しか聞こえなくなった頃、真一が口を開いた。


これは、二十年以上のキャリアを持ったとある警察官Aさんが体験した話です。

Aさんがまだ若手だった頃、東北地方のある山奥から警察に一本の通報がありました。それは、「山奥の道路に不審な車がずっと止まっている」とのこと。Aさんが現場に駆け付けると、そこには一台の白いセダンが止まっており、通報者曰く数日間そこに止まっていたそうです。

そのセダンのナンバープレートを調べると、同県内で発生した盗難事件で盗まれた車だと判明しました。盗難事件は三日前に発生し、それからずっとこの道路に止まっていたようです。

Aさんは応援を要請していたため、すぐに他の警察官や消防団が駆け付け、すぐに付近の捜索が始まりました。