怖い話しようよ

「ありがとうございます！助かります！」

女性は何度も頭を下げ、後部座席へと乗り込む。そして車は再び山道を走り始めた。

「皆さんはどうしてこんな山奥に？」

女性が訊ね、光彦たちはオカルトサークルのことを話し始めた。すると、学がひらめいたように口を開く。

「今から怖い話をしようよ！創作したものでも、ネットで拾ったものでもいいからさ！こんな雰囲気のある山道で怖い話したら、何か起きそうじゃね？」

その提案に光彦たちオカルトサークルのメンバーは「賛成！」と答える。即答だった。理子がチラリと女性を見る。

「お姉さんは苦手ですか？怖い話」

「いいえ、大好きです。皆さんの怖い話聞かせてください！」

女性がそう言ってくれたことに光彦たちはホッとしつつ、どんな話をしようかと考える。初対面の女性がゾクリとするような話をしなくてはならない。すると、「俺から話すよ！」と真一が手を挙げた。

「じゃあトップバッターは真一で、次は私が話すよ！」